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杉山慎(雪氷学者)の経歴と著書|協力隊を経て北大教授、国際雪氷学会会長

2026年9月6日(日)に放送された『情熱大陸』(MBS/TBS系)に登場したのが、杉山慎(すぎやま しん)さんです。「雪氷学者って何をする人?」「グリーンランドで何を調べているの?」と思った方も多いのではないでしょうか。

杉山慎さんは、北海道大学低温科学研究所の教授で、北極域研究センターのセンター長を務める氷河・氷床研究者です。2025年からは国際雪氷学会(IGS)の会長も務めており、この分野では世界の第一線に立つ研究者です。

この記事では、次の3点がわかります。

  • 杉山慎さんの年齢・出身地・所属などの基本プロフィール
  • 大阪大学から化学メーカー、青年海外協力隊を経て氷河研究者になった経歴
  • 『南極の氷に何が起きているか』など著書と、受賞歴・研究内容

北海道大学の研究者総覧、researchmap、出版社の書籍ページ、EGU(欧州地球科学連合)公式など、出典のある情報だけをまとめました。

杉山慎のプロフィール早見表
杉山慎のプロフィール早見表(本文の一次情報から作成)
目次

杉山慎とは?雪氷学者のプロフィール

まずは基本情報を表にまとめます。

名前 杉山 慎(すぎやま しん)
生まれ 1969年・愛知県(番組情報では1969年3月生まれ)。放送日の2026年9月6日時点で57歳
職業 雪氷学者(氷河・氷床の研究者)
所属 北海道大学 低温科学研究所 雪氷新領域部門 教授
北海道大学 北極域研究センター センター長(2025年4月〜)
学位 博士(地球環境科学)/北海道大学
専門分野 氷河・氷床の変動メカニズム、雪氷学、大気水圏科学
主なフィールド グリーンランド、南極、パタゴニア、北極域
役職 国際雪氷学会(International Glaciological Society) 会長(2025年2月〜)

出典は北海道大学研究者総覧および researchmap の公開プロフィールです。生まれ年と出身地は中央公論新社(中公新書)の著者紹介にも「1969年愛知県生まれ」と記載があります。

なお「杉山慎」は同姓同名の方が複数いらっしゃる名前で、検索すると野球・医療・企業関係など別の方の情報も混ざって出てきます。この記事で扱うのは北海道大学の雪氷学者・杉山慎さんです。

杉山慎の経歴 — 化学メーカーと青年海外協力隊を経て氷河研究へ

杉山慎さんの経歴は、いわゆる「まっすぐ研究者になった人」とは違います。企業の研究員や海外での教員を経験してから、30代で氷河研究の道に入っています。

1987年〜1991年 大阪大学 基礎工学部 物性物理工学科
1991年〜1993年 大阪大学大学院 基礎工学研究科 物性物理工学専攻
1993年〜1997年 信越化学工業 精密機能材料研究所 研究員
1997年〜1999年 青年海外協力隊としてザンビア共和国へ。高校で理数科教員を務める
2000年〜2003年 北海道大学大学院 地球環境科学研究科
2003年〜2005年 スイス連邦工科大学 研究員
2005年10月〜2014年1月 北海道大学 低温科学研究所 講師
2014年2月〜2017年3月 同 准教授
2017年4月〜 同 教授
2025年4月〜 北海道大学 北極域研究センター センター長

研究の道に進んだきっかけについて、杉山慎さんは中央公論新社のインタビューで山登りを挙げています。自然に関わる仕事をしたいという思いから氷河研究者になり、世界最大の氷河である南極氷床に取り組むことで「その思いをかなえた」と語っています。

河合塾の研究者紹介メディア「みらいぶっく」でも、大学院を出て化学会社に勤めていたころに山登りに魅了され、自然の中での仕事を志したという経緯が紹介されています。

杉山慎の研究 — 氷河の「底」を掘って見る

杉山慎さんの研究は、氷河や氷床がどう動き、どう融けているのかという変動のメカニズムを解き明かすことです。特徴的なのは、その調べ方です。

  • 熱水掘削: 熱水のジェットで氷を融かしながら、氷河の底まで穴を掘る。世界でも扱える研究者が限られる技術です
  • 現地観測: GPS、気象測器を現地に設置して、氷の位置や速度を実測する
  • 衛星データ解析・数値シミュレーションとの組み合わせ

この手法で、パタゴニアでは氷河の底にある融け水が水圧を上げ、氷河の流れる速さに影響していることを明らかにしました。南極では棚氷の下の海洋環境と氷の融解過程を調べ、極限環境に暮らす生物も見つけています(出典: みらいぶっく、北海道大学研究者総覧)。

衛星が発達した今も現地に行く理由について、杉山さんは中公新書のインタビューで「南極に行かなければ解決できない課題がたくさんあります」と述べ、氷床底面の水圧と滑る速さを直接測っている点を挙げています。

杉山慎の著書 — 『南極の氷に何が起きているか』で講談社科学出版賞

サジェストでもよく調べられているのが著書です。代表作は次の1冊です。

書名 南極の氷に何が起きているか — 気候変動と氷床の科学
出版社 中央公論新社(中公新書)
発売日 2021年11月18日
体裁 新書判・216ページ/946円(10%税込)
ISBN 978-4-12-102672-9

日本の面積の約40倍という南極氷床について、「温暖化の影響を受けにくい」とされてきた通説が近年の研究で覆りつつある、という内容です。この本で杉山慎さんは2022年に第38回講談社科学出版賞を受賞しています。

このほか、共著・分担執筆を含めて次のような書籍があります(researchmap の書籍等出版物より)。

  • 『北極域の研究 その現状と将来構想』海文堂、2024年3月
  • 『変わりゆく北極』北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)編、2024年2月
  • 『低温環境の科学事典』朝倉書店、2016年7月
  • 『低温科学便覧』丸善出版、2015年10月
  • 『地球惑星科学入門』北海道大学出版会、2010年
  • 『なぞの宝庫・南極大陸 100万年前の地球を読む』技術評論社、2008年(飯塚芳徳・澤柿教伸・杉山慎・的場澄人 著)

杉山慎の受賞歴 — 欧米以外から初のWeertman Medal

杉山慎さんの評価がよくわかるのが受賞歴です。

2013年9月 日本雪氷学会 学術賞
2015年3月 北海道大学 教育総長奨励賞
2019年5月 日本雪氷学会 北海道雪氷賞(北の六華賞)
2022年9月 第38回 講談社科学出版賞(『南極の氷に何が起きているか』)
2025年4月 欧州地球科学連合(EGU) Julia and Johannes Weertman Medal

いちばん大きいのが2025年のWeertman Medalです。EGU公式によると、受賞理由は「氷河の力学と氷と水の相互作用の分野における卓越した業績」で、湖に流れ込む氷河(lake-calving glacier)や氷にせき止められた湖の決壊に関する先駆的な貢献が評価されました。授賞は2025年4月29日、ウィーンで開かれたEGU総会でのことです。

北海道大学の発表によれば、この賞は2005年の創設以来、ヨーロッパとアメリカ以外から選ばれた初めての受賞者とのことです。メダル講演のタイトルは「On the dark side: Exploring hidden boundaries of glaciers and ice sheets」でした。

また2025年2月からは、氷河・雪氷研究の国際学会である国際雪氷学会(IGS)の会長を務めています。番組情報にある「去年からこの分野の国際学会の会長を務める」というのは、この役職を指しています。

杉山慎が出演した『情熱大陸』はどんな回だった?

番組名 情熱大陸
放送日時 2026年9月6日(日) 23:10〜23:40
放送局 MBS/TBS系(全国ネット)
サブタイトル 杉山慎/雪氷学者 白銀の世界!氷の島グリーンランドでの氷河観測
ナレーター 窪田等

この出演は、北海道大学北極域研究センターが2026年8月31日に公式サイトで告知していました。同センターの発表では「夏のグリーンランドでの氷河観測をはじめとする調査活動から、学生たちとの交流、日常生活まで、密着取材を通じて、杉山教授の氷河研究に賭ける思いが紹介されます」と説明されています。

【放送後追記】番組で取り上げられた内容

放送は予定どおり2026年9月6日(日)23:10から行われました。放送局各社が公開している番組情報によると、この回の内容は次のようなものです。

  • 杉山さんは北海道大学教授で、抜きんでた氷河研究の功績が認められ、この分野の国際学会の会長を務めていると紹介されている
  • 南極へは通算4回、北極圏へは15年にわたって現地調査を重ねてきた
  • 取材カメラはこの夏のグリーンランドでの氷河観測に同行。杉山さんが自らドリルで氷河に穴をあけ、ガレ場を歩き回ってGPSマーカーを設置し、その位置座標を計測していく地道な作業が映し出された
  • グリーンランドはいま最も地球温暖化の影響を受けている場所とされており、「氷河研究の世界的専門家がこの夏グリーンランドで見つけた異変とは何か」が番組の柱になっている

また、北極域研究センターの告知にあったとおり、氷河観測の場面だけでなく学生たちとの交流や日常生活の場面も取り上げられています。

※この追記の出典は、CBCテレビ・チューリップテレビなど放送局各社が公開している番組情報と、北海道大学北極域研究センターの公式告知です。いずれも放送前に公開されたもので、番組を実見して書き起こしたものではありません。番組内で杉山さんが語った具体的な発言として報じられた内容は、2026年9月7日時点では確認できていません。確認でき次第、この記事に追記します。

杉山慎について公表されていないこと

調べたうえで、次の点は公表されている情報を確認できませんでした。

  • 出身高校: 大阪大学基礎工学部の入学(1987年)以前の学歴は、研究者総覧・researchmap・出版社の著者紹介のいずれにも記載がありません
  • 家族構成: 研究者としての公式プロフィールに記載はなく、本人が公表している情報も確認できませんでした

この記事では、確認できなかったことは推測で埋めずにそのまま書いています。

まとめ

  • 杉山慎さんは北海道大学低温科学研究所の教授・北極域研究センター長を務める雪氷学者。1969年・愛知県生まれで、放送日時点で57歳です
  • 大阪大学から信越化学工業の研究員、青年海外協力隊(ザンビア)を経て氷河研究の道へ。熱水掘削で氷河の底を直接観測する手法で知られます
  • 著書『南極の氷に何が起きているか』(中公新書)で第38回講談社科学出版賞、2025年にはEGUのWeertman Medalを欧米以外から初めて受賞。2025年2月からは国際雪氷学会の会長です

『情熱大陸』の放送は2026年9月6日(日)23:10からでした。グリーンランドの氷河の上で杉山さんが何を見つけたのか、見逃し配信などで確認してみてください。

併せて読みたい(『情熱大陸』や専門家の出演者)

参考リンク

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